欧州からの世界恐慌回避策
ドイツがギリシャの借金をチャラにすれば解決
「闇経済」の一角を占めるというギリシャ・アテネ市内の露天市場
9月21日のニュースで国際通貨基金(IMF)の試算が話題になりましたね。
欧州連合(EU)加盟国で財政危機に直面しているギリシャなど6か国の国債がもし値下がりすると、それらの国債を持つ各国銀行の被害総額が日本円で21兆円と予測したんです。
21兆円って日本の年間予算のほぼ4分の1強。当然、各国政府が公的資金で補填(ほてん)しないと、金融恐慌への道が始まります。日本だって人ごとじゃない。
引き金を引きそうなのがギリシャ。ギリシャ財政が悪くなった原因は別に調べてもらいたいけれど、共通通貨ユーロを持たせてもらったおかげで、身の丈に合わない贅沢(ぜいたく)をしてきたわけ。EUの大国ドイツやフランスが中心になってギリシャの借金、つまり国債の返済や利払い資金を提供しているよね。それが、ずるずる長引く気配。そのうちドイツ国民がもう貸すな、と怒り出しかねない。
では、一挙の解決方法はあるかと聞かれれば、あります。財政上、力と余裕のあるドイツが、「ギリシャに貸し込んだ借金をチャラにします」と先陣を切って宣言すること。そんなバカな、という人がいるでしょうが、フランスの専門家からは本当にそういう声が出ているんです。
だれが説得するかというと、フランスです。第2次大戦で殺戮(さつりく)と焦土の舞台となった欧州を平和の国家連合体へと導いてきたのは、戦争を引き起こしたドイツの贖罪(しょくざい)、フランスの政治力でした。現在の財政危機から目を背けて、平和再建への誓いを反故(ほご)にするのですか。最後はそういってドイツを説得するしかないというんです。さて、どうなりますか。