お金が物に逃げて行く

国際商品にマネー流入 金や原油、資金残高1〜7割増
 金や原油など国際商品市場への投資マネー流入が鮮明だ。投資家がリスクをとって未決済のまま抱えている持ち高の合計は今年の底から金で7割急増し、原油やトウモロコシで1〜3割増えた。欧米の低金利政策で余剰感のある資金が資源高を見込んで商品に向かっているうえ、ドル安傾向を受け、ドル資産から実物資産に乗り換える動きも出てきた。マネーは買いが売りを上回る形で流入し、金が史上最高値を更新するなど相場を押し上げている。

 米商品先物取引委員会(CFTC)によると、9日時点のニューヨーク市場の金先物の未決済残高は53万500枚(枚は最低取引単位)。今年の底である1月中旬時点に比べ67%増えた。昨年1月下旬以来、約1年10カ月ぶりの高水準だ。未決済残高とは市場に残る買いと売りの持ち高のことで、取組高(とりくみだか)とも呼ばれ市場の資金量の目安になる。 (16:00)