欧米、日本成長率

【ワシントン時事】国際通貨基金IMF)は20日、最新の世界経済見通し(WEO)を発表し、景気減速が著しい米国の2012年の実質GDP国内総生産)伸び率を1.8%に、債務危機下のユーロ圏を1.1%にそれぞれ大幅下方修正した。日本も2.3%と6月時点の前回予想を0.6ポイント引き下げ。中国やインドなど新興国も軒並み下方修正しており、緩慢ながらも回復を続けてきた世界経済は「新たな危険局面に入った」と警告した。
 世界全体の成長率は、11年、12年とも4.0%。前回予想からは11年が0.3ポイント、12年が0.5ポイント下方修正された。IMFは先進国経済は「成長は続くが、弱々しく、がたついている」と指摘。一方で、新興国も「不透明さが一段と増している」としており、下振れリスクの拡大に強い懸念を示した。
 特に、ユーロ圏の債務危機については「政策決定者による制御を超えて進行している」と指摘。ユーロ圏債務危機国に金融支援を行う「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能拡充など、7月のユーロ圏首脳会合での合意事項の円滑な実施を求めた。また、欧州中央銀行(ECB)に対して、下振れリスクが続くようならば「政策金利を引き下げる必要がある」と要求。欧州の金融機関は自力で、それが難しい場合はEFSFからの資金拠出によって資本増強すべきだと強調した。