官政権は大丈夫か

 2011年度第1次補正予算が2日成立したものの、補正後予算額92兆7166億円のうち、4割弱を占める36兆9880億円の財源の手当てができていない。歳入の裏付けとなる赤字国債発行法案が成立する見通しが立たないためだ。このまま赤字国債を発行できない状態が続けば、夏にも財源が枯渇し、予算執行の大幅削減や業務の一部停止が視野に入る。政府機関の一時閉鎖(シャットダウン)を懸念する声もくすぶっている。

 赤字国債発行法案は赤字国債を発行するために必要な法案で、政府が11年度当初予算案と合わせて通常国会に提出した。しかし野党の理解が得られず、成立のメドがなお立っていない。1次補正予算の財源については与野党合意で確保したものの、肝心の赤字国債発行は結論を先送りした。

 当面は赤字国債を発行できないため、政府は最大20兆円まで発行できる財務省証券や、毎月の税収で資金を確保する構え。ただ4月と6月の地方交付税の配分などを終えた夏以降には財源が枯渇する恐れがある。

 政府・与党では「赤字国債発行法案の成立の期限は今国会中」との危機感が強い。赤字国債法案は2次補正予算に向けた歳出入見直しや、社会保障と税の一体改革など重要課題を巡る与野党調整の「起点」となる可能性がある。