東北大震災後の経済

×経済の低迷は必至。国民は貧しくなる

1.政治について

 これまでの利権主義・感情主義的な談合政治から理知的な2大政党制に生まれ変わると思います。マスコミは煽動的に日本政治を叩きますが、基本的に流れは欧州の先進国家が経験した道をたどっています。つまり、保守vs革新(伝統vs自由、経済vs生活)への2分の道であり、それを担うが当然、自民vs民主です。背後のややこしい利権構造でどの政党も同じ穴のムジナということもなくなり、互い攻撃し合う分かりやすい政治になると思います。

 太平洋戦争の亡霊とは、自民党独裁政治による政官財癒着の利権至上主義。サヨク思想による平等・平和・反核の愚民化主義。これらは小泉政権を契機に(功罪ありますが)崩れ始めました。福田・麻生・鳩山といった亡霊の傀儡達は復権を試みましたが、国民は賢く潰しました(ちなみに安部・管は亡霊から除外出来ると思います)。今の日本は亡霊を養う社会的コストを維持する余裕がないことから、亡霊の復権は無理でしょう。背景には、JALや東電の崩壊が象徴する経団連と労組の弱体化があります。そろそろ中心人物達の寿命もきますし。

 ちなみに最近、「ネトウヨ」と呼ばれる排外・国粋主義が台頭してきたのも極めてありがちな流れです。多くの国でネトウヨに相当する若者によるマイノリティ集団は一定数存在します(代表はネオナチ)。今までサヨク教育で抑えられていただけです。

2.経済について

 厳しいです。理由は2つ。1つは国家財政の破綻(国債暴落)。もう1つは円資産の安全神話の崩壊(世界中の人が東電の件で日本が張りぼてだったことを理解)。投資を多少なりとも心得ているものなら誰でも、数年後に堰を切って日本国債暴落と超絶インフレ(円安)が訪れる想定をしていたと思います。それが震災と原発事故によって、予想外に早く来てしまいました。

 今後はどうなるか?まずは商品価格、特に食料品と燃料(ガソリンや電気)が値上がりします(2〜5倍になるかも)。特に原発事故との2重苦で関東での生活は厳しそうです。

 財政再建策によって、行政サービスは著しく低下します。東北復興が終われば堤防や道路などの土木事業は衰退するでしょう。医療費の高騰が生じ平均寿命は下がると思います。

 良い点もあります。円安と燃料高騰で、農生産物については輸入よりも国内生産価格が安くなり(正確には輸入が国産以上に高くなる)、農業が復活します。また、技術力の高い町工場での部品輸出産業は、より海外メーカーの脚光を浴びるでしょう。これらは地方経済を活性化させます。もし、今回の原発事故で、原子力を段階的に捨てる勇気があるなら、地熱・風力・水力・バイオエタノールなど再生可能エネルギーや、ガス田・メタンハイドレードなどの国産エネルギー開発に弾みがかかります。これらは日本の新たなインフラ産業として世界に輸出できるでしょう。

 まとめますと、日本全体の経済成長は厳しく、国民は貧しくなりますが、外国への依存度が減り自決権が高まるような経済構造になる可能性があるということです。